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私はよく長寿村へ行きます。
天気のいい日など縁側にご老人が座っていて、よくお茶を飲んでいるんです。前を通りながら会釈すると、ニコニコしながら手招きしてお茶をすすめてくれます。
とっても渋い茶。でもうまい。ハートがこもっているからなんです。とつとつと語ってくれるお話が実に面白い。私が笑うとご老人も笑う。その笑顔が面白いものだから、また「ワッハハハハ」。ご老人もいっしょに「ワッハハハハ」。お茶と笑いは、長生きの妙薬なのです。
佐世保の「世知原茶」は実に名品ですね。玉緑茶とも呼ばれるように、仕上がりが繊細で香りがすばらしい。舌にのせてみると、かすかな苦味がまず出て、次に上品な甘味がかぶさってくる。急須にとり、ちょっと熱めのお湯を注ぎ、少々蒸らしてから飲んでみると、舌の上で感じた茶葉のうま味がさらに濃厚になっていて、いつの間にか目をとじていました。
体中が軽くなり、頭の中がすっきりしてきます。そして楽しくなってくるんです。長寿者がお茶好きなのは、この楽しさを味わうためではないかと思えるような心地よさ。
世知原は佐世保のずっと奥の高原地帯。空気も水も風景もとってもよいところなのです。お茶の木が胸を張って深呼吸していました。
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永山久夫(ながやまひさお)
1932年福島市生まれ。
食文化研究所、綜合長寿食研究所所長。西部文理大学客員教授。古代から明治時代までの食事復元研究の第一人者。長寿食や健脳食の研究者でもあり、長寿村の食生活を長年にわたり調査している。著書に「100歳食入門」「米の力 雑穀の力」「日本古代食事典」ほか多数。 |
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