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以前は早春になると、水田や浅い溜め池などでカエルの卵(卵塊)をよく見たものです。しかし最近は滅多に見られなくなりました。このような場所に卵を生むカエルには、ニホンアカガエル・ヤマアカガエル・ヒキガエルの3種がいます。
これらは12〜3月の暖かい雨の降る夜に、冬眠から一時さめて産卵をします。
このような日をドンク(カエル)の産卵に因み、「ドンク日和」と呼んでいる地方が少なくありません。 3種の中ではニホンアカガエルの産卵が最も早く、俵ヶ浦半島の南向きの田んぼでは暖かいせいか12月に産卵が見られます。
カエルの繁殖行動は雌の背中に雄が乗り、雄が雌の前肢の脇を抱き、雌の産卵に合わせて精子をかける体外受精で、抱接交尾とも呼ばれます。この時期になると、オスの前肢の親指には雌を抱くのに必要な婚姻瘤と呼ばれる滑り止めのたこができます。
ときには1匹のメスに数匹のオスがアタックしていることもあり、観察をしているととても滑稽で夜中なのに時間を忘れてしまうほどです。
これらのカエルは活動期は森の中に棲み、繁殖期になると水辺に集まります。生息するための森と産卵する田んぼの二つの異なった環境が必要で、彼らはいわゆる「里山の自然」と関わりの深い動物であり、その豊かさを示すバロメーターなのです。
■写真と文 川内野 善治
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