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2000年春号

スミレ(スミレ科)

  スミレは公園の芝地や畑の土手、道端などの日当たりのよい場所を好んで生育します。葉は根元から出て細長く、柄にひれがあり、地上に茎をもちません。花は濃い紫色です。
  スミレの仲間は世界に500 種程といわれていますが、その半数の約250種(変種、品種を含む)が日本にあります。これは日本が南北に長く多様な環境をもっているからです。たくさんあるといっても、佐世保市周辺の平地に普通に見られるのは7種程です。種によって生育環境や花の咲く時期、花の色が違いますので、十分見分ける事ができます。
  スミレの仲間は大きく分けるとふたつのグループに分けられます。ひとつはスミレのように地上に茎がなく直接花や葉が出る種で、大部分がこのグループに入ります。もうひとつは地上に茎をもつ仲間で、タチツボスミレやツボスミレがこのグループですが種類は多くありません。
  スミレの和名の由来は、花の形が大工さんが線引きするときに使う墨入れの形に似ているからとの説があります。万葉集にはスミレとツボスミレの2種類が出てきますが、ツボスミレは現在のタチツボスミレのことです。
  スミレと言えば春を連想しますが、2月の下旬から花を咲かせるのはタチツボスミレで、スミレの方は3月中旬から4月下旬に花が見られます。その後、秋までは花を咲かせずに自分の花粉でめしべを受粉させ実をつけます。これを閉鎖花といいます。
  スミレの種子は、さやがはじけて飛び散りますが、種子の分散にはアリも一役かっています。種子にはアリ誘因物質のエオライゾームを含む付属体があり、種子を運ぶアリとして現在19種が知られています。

(キャプション)
アスファルトの割れ目からたくましく成長したスミレ

●写真と文 
  川内野 善治


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