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本種は国内では熊本県鹿本郡菊鹿町相良(きくかまちあいら)に一株だけあり、国の特別天然記念物に指定されており、樹齢は1000年と言われています。この植物を九十九島の時計島で昨年の9月に発見しました。
ツルが地面を縦横に這って樹木に伸びており、面積は7000u程に広がっています。日が当たらない所では葉を出さずツルだけが伸び、日が当たるとろでは葉を展開させて繁茂しています。
確実に種を同定するためには花を見ることが不可欠です。相良では5月に開花とありますが、時計島は島で暖かいために早く花が咲くと思い4月下旬に調査を行いました。
現地へ行くと地面から樹木に伸びているツルに沢山の花が咲いて、まるでブドウの巨峰のようでした。花は数十年に一度しか咲かないと聞いていましたので、花を見たときは「ヤッタ!」と思わず声をあげてしまいました。
花穂(花の房)が付いたツルは直径約10o〜40oで、最も花穂が多く付いているのは20o〜30o程度のツルでした。しかし、直径の大きいツルが花穂の数が多いとは限らないようです。
花の数は1個〜21個で、10個程度の花を付けた花穂が多く、地面を這っているツルからも花穂がでていました。花穂は全部で500程はありそうでした。
花には蜜は多いものの1匹の昆虫も来ていませんでした。1個の花が大きく、この花の花粉を媒介する昆虫は日本にはいないと思います。本来の生育地ではどのような生物が花粉を媒介するのでしょう。トビカズラは中国南西部に分布していて、時計島は菊鹿町より北になりますから世界の北限地となります。おそらく大陸と陸続きだったころから生き延びているのでしょう。
ともあれ、九十九島の宝がまた一つ増えました。
■写真と文川内野善治
■写真説明 巨峰を思わせるようなトビカズラの花
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