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2002年秋号

ツリフネソウ(ツリフネソウ科)

山の湿地に多い1年草で花期は9〜10月。生育地は比較的明るい林縁で、少し湿った場所に群落をつくっていることが多く、花の時期は見事なものです。市内では栗木峠付近、大岩林道など限られた所にしかありません。
 和名は吊り下がる花の形が船の形をした花器に似ているのが由来です。遠くから見ると、どれもきれいに見えるのですが、近付いて写真を撮ろうとファインダーを覗くと、傷があったり、しぼみかかっていたりで、なかなか完璧な花は見つかりません。
 花が壺状に深いため訪れる昆虫が決まっており、見ているとなかなかおもしろいものです。

 ホウジャクの仲間はホバリングをしながら口吻を延ばして蜜を吸います。このため、オシベに触れることがなく花粉の媒介には全く役にたちません。蜜だけを盗んでいく蜜泥棒といったところでしょう。

 一方、クマバチは蜜のある部分を外から傷を付けて蜜を吸いますから強盗とでもいうべきでしょうか。
 マルハナバチやトラマルハナバチは花に潜りこんで蜜を吸うので良い花粉送者です。花粉は上の花びらの中にあり、花に潜り込む昆虫の背中にくっつく仕組みになっています。よく見ると後ろ脚に花粉を付けたトラマルハナバチがせわしなく花を移動しているのが観察されます。花びらの傷はハナバチの仲間が花に止まる時に出来るようです。
 もし果実があったら触ってみて下さい。ホウセンカの仲間ですから、鞘がクルリと弾けて種が飛び散ります。

■写真と文/川内野善治
■写真説明  赤紫の花に黄色の蜜標(昆虫に蜜のありかを教える)がよく目立ちます。

▲写真をクリックすると、写真が拡大されます。

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